デジタル大辞泉
「個」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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こ【個・箇】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙 集団に対するひとり。また、全体の中の一つ。個人。
- [初出の実例]「『箇』の人である。〈略〉子分とか弟子と言ふものがない」(出典:東京の三十年(1917)〈田山花袋〉作家短評)
- [その他の文献]〔無門関〕
- [ 2 ] 〘 接尾語 〙 物の数を数えるのに用いる。
- [初出の実例]「御たいよりたんはうり一こはしめてまいる」(出典:御湯殿上日記‐明応二年(1493)六月七日)
- [その他の文献]〔荀子‐議兵〕
個の補助注記
[ 二 ]は古くから「箇」の略体「个」が用いられたが、さらに「个」の代用として「ケ」とも書かれた。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「個」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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個
こ
individuum; individual
本来ギリシア語の atomonに由来するから,原子同様不可分なものが原義。他とは区別される独自性をもち,なかに部分を含む統一体であり,状態の変化はあっても本質的に自己同一性を保つ全体である。このような性質を最もよく具現しているのは人格であるから,individuumは多くの場合個人を意味する。この語を個体,個人を含む広い意味でとらえるときには,各 individuumの間にヒエラルキーが立てられる。史的にみればデモクリトスでは原子と区別されず,アリストテレスでは形相と質料より成る全体であり,スピノザでは個体は唯一の実体である神の様態にすぎず,逆に唯名論にあっては実在するのは一般者ではなく個体のみであるとした。個人の他と区別された独自性を強調したのは,ヘクセイタスを主張した J.ドゥンス・スコツスとそれを継承したライプニッツである。すなわち同一種に属する2個人 (体) ,たとえばソクラテスとプラトンを区別するのは質料的原理ではなく形相的原理なのである。ライプニッツにおいて単子 (→モナド ) はそれぞれに特殊性をもち,同一の個体は存在せず,すべての個体はそれぞれ本質的に独自な内容をもち,しかも宇宙全体に関係づけられているとされた (→単子論 ) 。なお,R.バイエは芸術作品は物体ではあるが,厳密な意味で個体であって分割できないことを主張した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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