個物(読み)コブツ

精選版 日本国語大辞典 「個物」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぶつ【個物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 個人の持ち物。私物(しぶつ)。
  3. ② ( [英語] individual の訳語 ) 哲学で、それ以上に分割もできないし、他のものに置き換えられず、他と区別される独特な一つ一つのもの。⇔普遍。
    1. [初出の実例]「時と、時に於てある個物を抽象することによって出来上るのが論理、概念の骨組だ」(出典:近代文学と生活の問題(1934)〈唐木順三〉二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の個物の言及

【西洋哲学】より

…この対概念がその後〈形式formaと質料materia〉〈形式Formと内容Inhalt〉と呼び替えられて,形而上学的思考様式の基本的カテゴリーとして働いたことは,カントが《純粋理性批判》の〈反省概念の多義性〉の章で指摘しているとおりである。中世の普遍論争において特に論議の対象となった〈普遍‐個物〉ないし〈一般‐特殊〉という対概念も以上のような経緯と深くからみ合いながら形成されたものと考えてよい。
【本質存在(エッセンティア)と事実存在(エクシステンティア)】
 このように形而上学的思考様式のもとで個々の事物が形相と質料の結合体としてとらえられることによって,もともと単純であるはずの〈存在〉概念,〈ある〉という概念が二義的に分裂することになる。…

※「個物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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