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近代文学 きんだいぶんがく

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

近代文学
きんだいぶんがく

文芸雑誌。 1946年1月~64年8月。月刊。第2次世界大戦中に大井広介の『現代文学』に拠っていた人々を中心に,敗戦後の 45年秋に結成された近代文学社の機関誌。本多秋五,平野謙,山室静,埴谷雄高,荒正人,佐々木基一小田切秀雄の7人を同人とし,文学者の戦争責任と転向問題,マルクス主義文学,運動の批判などを軸に近代的自我の確立を唱えて,荒正人の『第二の青春』 (1946) ,平野謙の『島崎藤村』 (47) ,本多秋五の『小林秀雄論』 (48) ,佐々木基一の『個性復興』 (48) ,埴谷雄高の小説『死霊』 (46~49) などを生んだ。

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デジタル大辞泉の解説

きんだい‐ぶんがく【近代文学】

近代に成立し発達した文学。ヨーロッパでは15、16世紀のルネサンス以降、特にフランス革命以降の文学をさし、分析的な散文、特に小説が主流。日本では、明治維新以後の文学をさす。
[補説]書名別項。→近代文学

きんだいぶんがく【近代文学】[書名]

文芸雑誌。昭和21年(1946)創刊、昭和39年(1964)廃刊。本多秋五平野謙山室静埴谷雄高荒正人佐々木基一小田切秀雄を同人として創刊。戦後派文学推進の拠点となった。

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百科事典マイペディアの解説

近代文学【きんだいぶんがく】

文芸雑誌。1946年1月―1964年8月。全185冊。近代文学社発行。創刊時同人は,荒正人平野謙本多秋五埴谷雄高小田切秀雄佐々木基一山室静の7名。個人と組織,政治と文学という二項対立の図式に新しい原理を加え,文学的主体性の確立を主張。
→関連項目大西巨人戦後派同人雑誌藤枝静男

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世界大百科事典 第2版の解説

きんだいぶんがく【近代文学】

戦後の文芸雑誌。1946年1月創刊,64年8月終刊。通巻185冊。近代文学社発行。本多秋五,平野謙,山室静,埴谷雄高,荒正人,佐々木基一,小田切秀雄により創刊された。敗退期のマルクス主義文学運動と戦時下の重圧を体験した同人たち共通の発想が,戦後出発の独自性となる。〈政治〉からの文学の自律とエゴイズムを拡充した高次のヒューマニズムを唱え,マルクス主義文学運動批判を展開,世代論,主体性論,戦争責任論,転向論などにわたり戦後の文学思想のテーマ設定者となる。

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大辞林 第三版の解説

きんだいぶんがく【近代文学】

近代社会の文学。世界文学の上で、広義ではルネサンス以後、狭義では一九世紀以後の近代精神・人間中心主義に基づく文学。日本では普通、明治20年代以後の、自我の確立と人間性の尊重をめざした文学をいう。
雑誌名(別項参照)。

きんだいぶんがく【近代文学】

文芸雑誌。1946年(昭和21)創刊、64年廃刊。本多秋五・平野謙・山室静・埴谷雄高・荒正人・佐々木基一・小田切秀雄を同人に創刊。政治に対する文学の自律性と人間の主体性を強調、戦後の批評界を主導した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

近代文学
きんだいぶんがく

戦後派文学にまつわる最大の同人雑誌。1946年(昭和21)1月創刊。数回の休刊を挟み、64年8月終刊。全185冊。創刊時点の同人は本多秋五(ほんだしゅうご)、平野謙(けん)、山室静(やまむろしずか)、埴谷雄高(はにやゆたか)、荒正人(あらまさひと)、佐々木基一(きいち)、小田切秀雄(おだぎりひでお)の7人。いずれもプロレタリア文学運動の最末期のなかで青春期を体験。その運動の挫折(ざせつ)、転向の状況を目撃し、戦時下の「暗い谷間」の心理的圧迫に耐えつつ、友情を深め、『批評』『構想』『現代文学』などの同人雑誌に拠(よ)り、第二次世界大戦の敗戦をまって一挙に蓄積したエネルギーの火を点火した。歴史を展望しながら、政治に対する文学の自律を宣言した本多の『芸術 歴史 人間』が創刊号の巻頭論文。平野の島崎藤村(とうそん)の『新生』論、埴谷の『死霊(しれい)』などを掲載。続いて荒の『第二の青春』、佐々木の『個性復興』などを刊行。中野重治(しげはる)との間に「政治と文学」論争を勃発(ぼっぱつ)させた。野間宏(ひろし)や椎名麟三(しいなりんぞう)らの仕事をいち早く評価、ついで二度にわたって同人を拡大し、花田清輝(きよてる)、平田次三郎、野間宏、福永武彦、加藤周一、中村真一郎、安部公房(こうぼう)、武田泰淳(たいじゅん)、原民喜(たみき)らが参加、戦後派の拠点とみなされるようになったが、同人の間での意見も分かれ、やがて最初の同人に復した。のちには新進評論家や小川国夫、辻邦生(つじくにお)、立原正秋(たちはらまさあき)ら新人に発表の場を与えた。島崎藤村や北村透谷(とうこく)らの『文学界』、武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)や志賀直哉(しがなおや)らの『白樺(しらかば)』に匹敵する同人雑誌の雄。日本近代文学館刊の復刻版(120冊、1981~82)がある。[紅野敏郎]

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世界大百科事典内の近代文学の言及

【戦後文学】より

…1945年の日本の敗戦の結果,連合軍の占領下におかれたとはいえ表現の自由は戦中よりも著しく増大し,まず既成作家の復活が正宗白鳥,永井荷風,川端康成らの作品発表としてあらわれ,それより下の世代では昭和10年代作家の活動が坂口安吾,太宰治ら〈無頼(ぶらい)派〉の作品および高見順,伊藤整らの内省にみちた再出発としてあらわれた。しかし文学運動として注目されたのは,戦前のプロレタリア文学を継承する雑誌《新日本文学》を創刊した中野重治,佐多稲子,蔵原惟人らの活動,およびその運動を内在的に批判しながら個人の自由な開花をめざした《近代文学》派の批評活動であった。荒正人,平野謙らを含む後者は戦後の新文学を生みだす基盤をつくり,やがて野間宏,椎名麟三,武田泰淳らの登場をうながした。…

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