倭寇図巻(読み)わこうずかん

改訂新版 世界大百科事典 「倭寇図巻」の意味・わかりやすい解説

倭寇図巻 (わこうずかん)

16世紀の倭寇の風俗を描写した絵画。東京大学史料編纂所所蔵。絹本着色。縦32cm,全長522cm。原題は《明仇十州台湾奏凱図》とあるが,筆者仇英(十州)ではなく,画面の舞台も台湾ではない。作風は17世紀中国の呉派文人画のものである。画面は,倭寇船団の出現にはじまり,上陸形勢の観望,略奪放火,明官兵との接戦勝報,明官兵の出撃順序で展開する。人物の描写のほか,鉄砲,船,武器等注目すべき描写が多い。
倭寇
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android