出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
… 南北朝に入ってからは,義堂周信(ぎどうしゆうしん),絶海中津(ぜつかいちゆうしん),古剣妙快(こけんみようかい),中恕如心(ちゆうじよじよしん)などが出て,このうち義堂周信は入元しなかったがその作品の骨格はまったく中国人と同等なものを作りえて,中国人からさえ,その作品は中国人のものと誤られたほどであった。絶海中津は明の時代に入ってから渡海し,元代の人が偈頌(げじゆ)といって仏教臭のある詩体を好んで作ったのに対して,まったく士大夫風の俗体の詩文をよくし,また中巌円月についで,四六文の作成にいそしんだ。当時,中国には笑隠大訢(しよういんたいきん)という禅僧が出て,禅四六の作法を一定し,これを〈蒲室疏法(ほしつそほう)〉と称したが,中巌円月,絶海中津はこの法を体得した。…
…サンスクリットのqāthāを音訳して偈陀(げた)・伽陀(かだ),意訳して偈頌(げじゆ),略して頌という。韻文で1句が五言,または七言で表現され,4句をもって一偈とするが,とくに長いものは重頌と称する。…
…先に述べた道号頌などがそれである。概して仏教的内容をもち,禅宗内部の習慣にかかわるテーマについての詩は,これを偈頌(げじゆ)と称するが,形は俗の詩と同一である。 作者には,初期には一山一寧(いつさんいちねい),雪村友梅(せつそんゆうばい),虎関師錬(こかんしれん)らがおり,彼らは宋代の中国の禅林文学の影響をうけている。…
…彼ら禅僧の書いたものは何であれ墨跡というが,その内容や形式について大別すると次のごとくである。(1)詩形式のもの 古詩,絶句,律詩のスタイルに仏教的内容を盛りこんだもので,偈頌(げじゆ)と呼んでいる。(a)道号の頌 修行を終えて一人前になった弟子に,師あるいは先輩が字(あざな)を授け,偈頌の形式で賞揚したもの。…
※「偈頌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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