デジタル大辞泉 「側む」の意味・読み・例文・類語 そば・む【▽側む】 《名詞「そば(側)」の動詞化》[動マ四]1 横を向く。わきを向く。「尼君を恥ぢらひて、―・みたるかたはらめ」〈源・宿木〉2 片隅に寄る。横に寄る。「恥ぢしらひて遠く―・みて居たれば」〈今昔・二二・七〉3 うらむ。すねる。「―・み恨み給ふべきならねば」〈源・澪標〉4 かたよる。正道をはずれる。「申楽に―・みたる輪説とし」〈花伝・一〉[動マ下二]「そばめる」の文語形。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「側む」の意味・読み・例文・類語 そば‐・む【側】 [ 1 ] 〘 自動詞 マ行四段活用 〙① 横を向く。わきを向く。横向きになる。[初出の実例]「しろき衣の萎えたると見ゆる著て、〈略〉そばみてあれば、顔は見えず」(出典:落窪物語(10C後)一)② かたわらに寄る。隅の方に寄る。恥じらいや、遠慮がちなようすにいう。[初出の実例]「柱隠れにすこしそはみ給へりつるを、引寄せ給へるに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)野分)③ 顔をそむけてうらみなげく。うらむ。ひがむ。すねる。[初出の実例]「我なかはそばみぬるかとおもふまでみきとばかりもけしきばむかな」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)④ かたよる。偏する。また、正道や本筋をはずれる。わきへそれる。[初出の実例]「歌も、ことさらめき、そばみたる古言どもを選りて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)[ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ⇒そばめる(側) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例