偶然性の芸術(読み)ぐうぜんせいのげいじゅつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「偶然性の芸術」の意味・わかりやすい解説

偶然性の芸術
ぐうぜんせいのげいじゅつ

「偶然」を表現の本質的契機とする芸術総称。「偶然」のとらえ方次第では陶磁器すらこのなかに含まれようが,普通には第2次世界大戦前後からマルセル・デュシャンによって意識的に行われるようになった芸術傾向をさす。マックスエルンストの「コラージュ」や「フロッタージュ」,あるいはジャクソン・ポロックの「アクション・ペインティング」もまたこのように呼びえようが,ことに作曲や演奏の方法に「偶然」を取入れたジョン・ケージの「偶然性の音楽」,A.カプローらの「ハプニング」,R.ラウシェンバーグ絵画,M.カニンガムダンスなどはデュシャンの系譜を継ぐものといえよう。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android