フロッタージュ(読み)ふろったーじゅ(英語表記)frottage フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フロッタージュ」の意味・わかりやすい解説

フロッタージュ
ふろったーじゅ
frottage フランス語

「こすること」を意味するが、1925年にマックスエルンストによって発見、創始され、彼を中心にシュルレアリストの愛好する技法として使われた。エルンストは種々のものに紙を当ててこすって得られたデッサン集『博物誌』『百頭女』などを制作したほか、この技法を絵画にも応用した。以後、現代美術の基本的な技法の一つとみなされ、また第二次世界大戦後にはこれから派生したグラッタージュgrattage(ひっかくこと)の技法などをも生んでいる。

[千葉成夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フロッタージュ」の意味・わかりやすい解説

フロッタージュ
frottage

絵画技法用語。木の葉や古い板石などに薄い紙を当てて鉛筆またはクレヨンで軽くこすり,葉脈や木目を浮き出させる絵画表現の手法。ときに不思議な神秘的な世界のパターンが表現できるので,シュルレアリストたちによってしばしば用いられた。特にこの手法による M.エルンストの作品は知られている。

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