偶発実生(読み)グウハツミショウ

デジタル大辞泉 「偶発実生」の意味・読み・例文・類語

ぐうはつ‐みしょう〔‐みシヤウ〕【偶発実生】

偶然に発見された、優れた形質を持つ実生果樹。人為的に交配されたものでなく、自然に落ちたり捨てられたりした種から育つ。温州ミカン八朔はっさく日向夏二十世紀ゴールデンデリシャスなど、古くから栽培されている果樹の多くがこれにあたる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「偶発実生」の意味・わかりやすい解説

偶発実生
ぐうはつみしょう

果樹園芸上の用語両親はつまびらかでないが、たまたま実生個体としてみいだされた個体が果樹として優秀な形質をもち、利用される場合がある。このような実生個体を偶発実生という。今日栽培されている果樹品種のうち相当多数が偶発実生に由来する。日本ナシの二十世紀、リンゴのゴールデンデリシャス、モモ大久保柑橘(かんきつ)の日向夏(ひゅうがなつ)そのほかがある。遺伝的にはいずれも雑種性が高い。

[飯塚宗夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android