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偶発戦争の防止 ぐうはつせんそうのぼうしprevention of an accidental war

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

偶発戦争の防止
ぐうはつせんそうのぼうし
prevention of an accidental war

核兵器装備ミサイルの発達に伴い,事故,誤算などによって偶発的に戦争が起る潜在的危険性を,各国が核兵器の管理強化その他の自主的措置を講じて防止すること。アメリカの科学者 J.フェルプスによれば,(1) まちがったレーダ信号,誤伝された軍事命令など,防衛組織上の事故,(2) ミサイル指揮官の常軌を逸した精神状態,(3) 限定戦争の予期しない拡大,(4) 米ソ以外のある第三国が,米ソ戦争を起させる目的で働きかけ,それに成功して起るようないわゆる触媒戦争,(5) 外交上,軍事上の誤算,などの場合に偶発戦争が起るという。このような事情から,核大国は偶発戦争防止のため,国際的措置を取決める交渉を行なってきた。たとえば,キューバ危機のあと,アメリカは 1962年の十八ヵ国軍縮委員会で「事故,誤算,あるいは通信の失敗による戦争の危険性の縮減」という提案を行い,そのなかで,軍事上の緊急事態に関する連絡として,特定国間にテレプリンタ回線を設置することを提唱していた。この考えの具体化の1つとして,63年6月 20日に米ソ両国政府間直通通信線 (通称ホット・ライン ) 設置の取決めが結ばれた。また,米ソ戦略兵器制限交渉 SALTの成果として,71年9月 30日にワシントン D.C.で,米ソ間に偶発核戦争防止協定 (核戦争危険減少協定) と,米ソ両国政府間直通通信線改善協定が結ばれた。このほか仏ソ間に核兵器偶発使用防止協定 (1976.7.16.発効) ,英ソ間に偶発核戦争防止協定 (77.10.10.発効) がある。

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