偽装牛ミンチ(読み)ぎそうぎゅうみんち

知恵蔵 「偽装牛ミンチ」の解説

偽装牛ミンチ

食肉加工卸会社ミートホープの牛肉100%表示のひき肉に、豚の内臓、鶏、カモなどが混入しているのが2007年6月に発覚した。同社では二十数年前から食肉偽装や賞味期限改ざん行為を繰り返していた。当該偽装ミンチを使用した北海道加ト吉製のコロッケはCO-OP牛肉コロッケとして全国に販売された。そのほか多くの食品製造会社で冷凍食品やレトルト食品に加工されて全国販売、学校給食にも使われた。農林水産省北海道農政事務所に内部告発があったが1年余り放置されていた。農水省は日本農林規格(JAS)法違反の疑いで立ち入り検査し不正を確認。しかしJAS法で行政処分や刑事罰に問えるのは直接消費者に向けての虚偽表示などがあった場合に限られ、同社のような中間処理業者を処分する規定がないために厳重注意にとどまり、同法の見直しに入った。ミートホープ社は7月に自己破産した。

(篠崎悦子 ホームエコノミスト / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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