備中町(読み)びつちゆうちよう

日本歴史地名大系 「備中町」の解説

備中町
びつちゆうちよう

面積:一〇二・六八平方キロ

郡北西部に位置し、北は阿哲あてつ哲多てつた町・哲西てつせい町、東は成羽なりわ町、南は川上町、西は広島県境で神石じんせき油木ゆき町・豊松とよまつ村に接する。町域の大部分は標高四〇〇―五〇〇メートルの吉備高原が占め、北西から南東に貫流する成羽川が深い渓谷を形成、高梁たかはし川上流県立自然公園に含まれる。昭和四三年(一九六八)には新成羽川・田原たばら黒鳥くろどりの三ダムによる揚水式発電を採用した中国電力新成羽川発電所が建設された。幹線道路として主要県道新見―成羽線が町域の東端を北上、新見市正田しようでんで国道一八〇号に接続。

備中町
びつちゆうまち

[現在地名]金沢市材木町ざいもくちよう

並木なみき町の南に位置し、西は材木町、東は浅野川川除あさのがわかわよけ町、南は横山家下屋敷(のちの横山町)。地子町で両側町。町名はかつて岡島備中一吉を祖とする岡島家の下屋敷地であったことによる。寛永五年(一六二八)二代備中一元が没し、岡島家は一万一千七五〇石あった禄を五家に分知、宗家は五千石となった(「諸士系譜」金沢市立図書館蔵)。延宝町絵図では、当町域の南半に東西一三一間余・南北一五間余の岡島備中下屋敷がみえる。元禄九年(一六九六)の書上(「片岡孫作筆録」加越能文庫)には「備中上ケ地町」とあり、町地化が進んでいたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報