備前国九郡之帳(読み)びぜんのくにきゆうぐんのちよう

日本歴史地名大系 「備前国九郡之帳」の解説

備前国九郡之帳(正保郷帳)
びぜんのくにきゆうぐんのちよう

一冊

原本 池田家文庫

解説 原本備中国十一郡帳とともに正副二部四冊箱入りで、箱書に「光政公御代中備前備中両国古高帳 四冊」とある。正保の国絵図編纂事業においては幕命により国絵図に添えて、郷帳・道帳・城絵図が幕府へ提出された。このとき岡山藩主池田光政は備前と備中の絵図元(献上者)を命じられた。池田家文庫にはこれらの控が一揃完全に現存している。道帳(原本の標題は道筋并灘道舟路帳)は箱入りで箱書に「光政公御代中備前備中道筋并灘道船路記 二冊」とあり、道帳の奥書に同四年の年記がある。郷帳は作成年代の記載はないが、道帳と同じ体裁の仕立てで箱書の書き方も共通し、さらに備中国十一郡帳の領主在封年代から正保二、三年頃の作成と考えられる。備前国九郡の郡別に本村を列挙し、村名・村高(朱印高)・枝村名に加えて、草山・柴(芝)山・松林・松山・宮林・雑木林などの規模、水損・日損の程度を、いずれも大中小で記載する。郡ごとに村高・村数の集計を記す。帳の末尾の備前国総高二八万二〇〇石、村数八九七、うち本村六二一・枝村二七六。「池田光政公伝」上巻所収。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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