元祿(読み)げんろく

精選版 日本国語大辞典 「元祿」の意味・読み・例文・類語

げんろく【元祿】

  1. [ 1 ] 江戸時代、東山天皇の代の年号。貞享五年(一六八八)九月三〇日、代始により改元。五代将軍徳川綱吉の時代。元祿一七年(一七〇四)三月一三日、宝永と改元。出典は「宋史志」の「以仁守位、以孝奉先、祈福逮下、侑神照徳、恵綏黎元、懋建皇極、天祿無彊、霊体允廻、万業其昌」。
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. げんろくそで(元祿袖)」の略。
      1. [初出の実例]「紫の裾模様の小袖に金糸の刺繍(ぬひ)が見える〈略〉袖は丸くて短い。是が元祿かと三四郎も気が付いた」(出典:三四郎(1908)〈夏目漱石〉一〇)
    2. げんろくもよう(元祿模様)」の略。
      1. [初出の実例]「元祿とは何の事だとだんだん聞いて見ると、中形の模様なら何でも元祿ださうだ」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android