元禄模様(読み)ゲンロクモヨウ

デジタル大辞泉の解説

げんろく‐もよう〔‐モヤウ〕【元×禄模様】

元禄時代に流行した、大柄ではでな小袖模様。

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大辞林 第三版の解説

げんろくもよう【元禄模様】

日露戦争後に流行した、江戸前期風の華やかな模様。花の丸尽くし、弁慶縞、市松模様など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

元禄模様
げんろくもよう

小袖(こそで)模様の一種。通常、元禄模様というのは、徳川5代将軍綱吉の在職期間(1680~1709)、すなわち天和(てんな)・貞享(じょうきょう)・元禄・宝永(ほうえい)年間に流行した小袖模様をさしている。この時期は、農村の繁盛と都市の勃興(ぼっこう)を背景として、江戸幕府の政治体制が確立した時期で、その繁栄と太平ムードを反映して、小袖にも豪華絢爛(けんらん)たる意匠が求められた時代である。1651年(慶安4)以後、68年(寛文8)、82年(天和2)、83年と相次いで奢侈(しゃし)禁止令が出されたことによっても、当時の町人がいかに美装を競ったかを知ることができる。
 近世に入って、小袖模様は華やかで、自由な絵画的な模様に向かっていたが、この傾向にいっそうの拍車をかけたのが染めの技法の発達であった。とりわけ1683年の禁令によって、女の衣装から金紗(きんしゃ)、縫(ぬい)、総鹿の子(そうかのこ)が取り上げられたことが、かえって多彩な模様染め出現の時期を早める結果となった。多彩色の繊細で写生風な模様表現が、友禅染めの完成によって可能となると、この傾向は染め以外の分野にも多くの影響を与えた。しかし当代の模様の表現はまだ精緻(せいち)に走ることなく、おおらかな味を多分にもっており、柄(がら)も寛文(かんぶん)模様の名残(なごり)をとどめ、大柄で、はでである。素材も、花鳥、風景のほかに、傘、虫籠(むしかご)、文箱(ふばこ)、団扇(うちわ)など、かなり大胆と思われる器材にまで及んでいる。このような大胆さと繊細さのほどよい調和のうえにできたのが、元禄模様であるといえよう。村元雄]

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