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先懸(先駆) さきがけ

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世界大百科事典 第2版の解説

さきがけ【先懸(先駆)】

先登とも書く。中世武士が他にさきがけて敵陣へ攻め入ることをいう。戦場にあって名誉とされ,勲功の対象ともされた。当時の武士が戦場で自己の武名をはせる最良の方法はこの先懸(先登)を果たすことであった。〈兵の本意は先登なり,先登に進むの時,敵は名謁(なのり)をもってその仁を知る〉との《吾妻鏡》に引用する下河辺行平の詞は武士一般の先懸への思惑を端的に示すものであろう。また同じく《吾妻鏡》には熊谷直実が佐竹征伐の功績によって熊谷郷の地頭職を安堵された下文(くだしぶみ)が見えるが,そこには〈直実,万人に勝れて前懸(さきがけ)し,一陣を懸け壊り,一人当千の高名を顕す〉との文言が付され,これが合戦における武士の勧賞(げんしよう)に値するものであったことを示している。

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