光世(読み)ミツヨ

精選版 日本国語大辞典 「光世」の意味・読み・例文・類語

みつよ【光世】

  1. 平安末期、承保一〇七四‐七七)の頃、筑後三池にいたと伝えられる刀工。典太光世、法名元真。「光世作」の銘のある名物大典太(前田育徳会蔵)がある。また、同名の刀工は後代にもみられる。

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朝日日本歴史人物事典 「光世」の解説

光世

生年:生没年不詳
平安後期の筑後(福岡県)の刀工。薩摩(鹿児島県)の波平一派とならんで,九州で最も古い刀工。三池郡に住したところから三池典太と称された。最古の刀剣書『観智院本銘尽』には元久(1204~06)ごろの豊後行平の師としている。現存する在銘作品は,室町将軍家代々の重宝で,その後前田家に伝来した名物「大転多」(国宝)がただ1点あるに過ぎない。その作風はこの時代のものとしては身幅が広く,大板目肌の流れた鍛えに,細直刃がほつれた刃文を焼き,九州物共通の特色を示している。また,無銘であるが久能山東照宮蔵の徳川家康遺品も光世の作と伝える。

(原田一敏)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「光世」の解説

光世 みつよ

?-? 平安時代後期の刀工。
筑後(ちくご)(福岡県)三池の人で,三池典太と称される。現存する確実作は名物大典太(おおでんた)(国宝,前田育徳会蔵)。足利将軍家の重宝とされ,天下五剣のひとつにかぞえられた。

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