光線速度(読み)こうせんそくど(その他表記)ray velocity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「光線速度」の意味・わかりやすい解説

光線速度
こうせんそくど
ray velocity

媒質中を伝わる光の速度のうちエネルギーの伝わる速度のことをいう。波面に垂直な方向の法線速度 (位相速度ともいう) と区別する。屈折率 n等方性の媒質中では両者は一致し,c/n ( c は真空中の光速度 ) で与えられる。結晶において屈折率または誘電率は,結晶軸の方向に関係したテンソル量となるため,電束 D に垂直な法線速度の方向と,電場 E に垂直な光線速度の方向とは必ずしも一致しない。

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世界大百科事典(旧版)内の光線速度の言及

【光速度】より

…また,異方性の結晶中では光の伝わる方向を指定しても異なる速さの2種の光が存在する。この場合,それぞれの光について上の式で与えられる位相速度は光のエネルギーが伝わる速さとは異なり,位相速度を法線速度,エネルギーの伝搬速度を光線速度ray velocityと呼ぶ。【三須 明】
【光速度の測定(フィゾーの実験)】
測定精度はけっしてよいとはいえないが,彼の実験は光速度を地上の実験装置で測定したという点で画期的なものであった。…

※「光線速度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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