光線速度(読み)こうせんそくど(その他表記)ray velocity

最新 地学事典 「光線速度」の解説

こうせんそくど
光線速度

ray velocity

光のエネルギーが実際に伝わる方向速度。光学的等方体ではすべての方向で等しいが,異方体では方向によって異なり,かつ同一方向に速度の異なる二つの偏光がある。したがって,光線速度曲面(ray surface)は二重の曲面である。一軸性ではc軸方向で二つの曲面は接し,二軸性ではX, Zを等分線とする2直線上で交わり,これらの点では光線速度は一つ。この方向が光線軸。任意の方向の光線速度RはX, Y, Zを光学的弾性軸としてFresnelの式で求められる:X2/(R2a2)+Y2/(R2b2)+Z2/(R2c2),ここにa, b, cは主速度。XY平面すなわちZ=0では,R2c2, X2/b2+Y2/a2=1で,前者は円,後者楕円。XZ, YZ平面も同様である。一軸性ではXとY(正号,c=Z)またはYとZ(負号,c=X)が等価で,一つは球(通常光),他は回転楕円体(異常光)。Fresnelの式から任意の方向の光線速度を光線軸との方位で与えると,一軸性で光線軸とθの方向の異常光ReOE Oは通常光,Eは光線軸と直角方向の異常光の速度),二軸性でZの両側光線軸とθA,θBの方向の大(R1)小(R2)二つの速度は1/R21=1/2(1/c2+1/a2)-1/2(1/c2-1/a2cos(θA-θB),1/R22=1/2(1/c2+1/a2)-1/2(1/c2-1/a2)cos(θA+θB)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「光線速度」の意味・わかりやすい解説

光線速度
こうせんそくど
ray velocity

媒質中を伝わる光の速度のうちエネルギーの伝わる速度のことをいう。波面に垂直な方向の法線速度 (位相速度ともいう) と区別する。屈折率 n等方性の媒質中では両者は一致し,c/n ( c は真空中の光速度 ) で与えられる。結晶において屈折率または誘電率は,結晶軸の方向に関係したテンソル量となるため,電束 D に垂直な法線速度の方向と,電場 E に垂直な光線速度の方向とは必ずしも一致しない。

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世界大百科事典(旧版)内の光線速度の言及

【光速度】より

…また,異方性の結晶中では光の伝わる方向を指定しても異なる速さの2種の光が存在する。この場合,それぞれの光について上の式で与えられる位相速度は光のエネルギーが伝わる速さとは異なり,位相速度を法線速度,エネルギーの伝搬速度を光線速度ray velocityと呼ぶ。【三須 明】
【光速度の測定(フィゾーの実験)】
測定精度はけっしてよいとはいえないが,彼の実験は光速度を地上の実験装置で測定したという点で画期的なものであった。…

※「光線速度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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