デジタル大辞泉
「位相速度」の意味・読み・例文・類語
いそう‐そくど〔ヰサウ‐〕【位相速度】
正弦波が伝わるとき、その波面の進行する速度。普通にいう波の速度のこと。
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いそう‐そくどヰサウ‥【位相速度】
- 〘 名詞 〙 ある波の波面が媒質中を移動する速度。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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位相速度
いそうそくど
phase velocity
波動が正弦波で表されるとき、ある位相が伝搬する速度。波面(たとえば波の山または波の谷)の位置が進行する速度といえる。正弦波uを振幅A、振動数ν、波長λとするとき

となる。ここで、tは時刻、xは位置である。これは一定速度で進む波で、この場合、位相速度vは
v=ν・λ
と表される。実際の波は、振動数の異なる正弦波が重なった波束であると考えられ、波束全体の移動速度は群速度で表される。
[山本将史 2021年7月16日]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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位相速度 (いそうそくど)
phase velocity
正弦波u=asin2π(νt-x/λ)は,正弦曲線の形の波がその形を変えずに一定の速さv=νλでx軸の正の向きに進むものである(νは振動数,λは波長)。このときx軸上の各点は単振動をしているが,点x1+Δxでの単振動の位相は,点x1での単振動の位相と比較すると2π・Δx/λだけ遅れていて,この時刻でのx1における位相と同じ位相に達するのは,Δt=Δx/(νλ)=Δx/vだけ後の時刻である。つまりvは媒質中の各点の振動の位相が伝わっていく速さと考えることができるので,これを位相速度という。位相速度は法線速度とも呼ばれ,一般の波動でも用いられるが,厳密には正弦波について定義されるものである。
→波動
執筆者:有山 正孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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位相速度
いそうそくど
phase velocity
波の速度の1つ。媒質中で同じ位相にある点を結んでつくられる面,すなわち波面に垂直な方向に進む速さ。波動の群速度と区別するときによく用いられる。 x 軸の正の向きに進む正弦波は ξ=a sin (ωt-kx+ε) で表わされ,位相速度 v は v=ω/k=λ/T で与えられる。ただし a は波の振幅,ω は角振動数,k は波数,ε は初位相,λ は波長,T は周期を示す。位相速度は厳密にいうと正弦波について定義される。しかし,等方性の媒質中を,振動数は異なるが位相速度が等しいいくつかの正弦波が進行する場合でも,合成波 (波束 ) はこの位相速度をもつ。このとき分散がないと呼び,角振動数ωが波数に比例するときに起る。これに対して,各正弦波の位相速度が異なるとき,合成波がくずれずに進む速さが群速度である。したがって分散がなければ位相速度と群速度は等しい。波を扱うとき速度といえば,普通は位相速度をさす。 (→波の速度 )
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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海の事典
「位相速度」の解説
位相速度
波動の峯あるいは谷といった特定の位相が伝播する速度。通常波の速度といえば、この位相速度を指すが、波のエネルギーは群速度で伝わる。位相速度と群速度 が等しい波を非分散性の波、一致しない波を分散性の波という。 (永田)
出典 (財)日本水路協会 海洋情報研究センター海の事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の位相速度の言及
【波動】より
…
[正弦波]
波動方程式をみたす関数u(x,t)の中でもっとも簡単でしかも重要なものは,
または,
の形をもつもので,これを正弦波と呼ぶ。これらの式の中に現れる定数Aを振幅,ωを角振動数,vを位相速度,Tを周期,λを波長と呼ぶ。またω=2π/T,v=λ/Tであって,ν=1/T=ω/2πを振動数または周波数という。…
※「位相速度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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