普及版 字通 「兌(漢字)」の読み・字形・画数・意味
兌
7画
(異体字)
6画
[字訓] よろこぶ・かえる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
(八)+兄。兄は巫祝。祝詞を入れた器((さい))を戴く人の形。はその上に神気の彷彿として下る意を示す。そのとき巫祝は神がかりとなり、脱我・忘我の状態となる。その(しようこう)の状態を(悦)という。〔説文〕八下に「(よろこ)ぶなり」と訓し、字を(えん)声とするが、字は兄に従う字である。の状態にあることを示す字であるから、(脱)・・(説)などは兌に従う。
[訓義]
1. よろこぶ。
2. われを失う、脱する。
3. とおる。
4. かえる、ひきかえる。
5. 易卦の一、方位は西。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕兌 ヨロコブ・ニシ
[声系]
〔説文〕に兌声として・・・(税)・(閲)・蛻・(鋭)など十七字を収める。おおむね兌の声義を承ける字である。
[語系]
兌・奪()duatは同声。・・・thuat、また・太thatは声近く、(たつ)は子羊が脱然として生まれ落ちる形で、そのさまを(達)という。太はと同じく、水でゆすり洗う意。みな声義に通ずるところがあり、一系の語である。
[熟語]
兌利▶・兌運▶・兌音▶・兌換▶・兌款▶・兌給▶・兌銀▶・兌条▶・兌銭▶・兌租▶・兌付▶・兌便▶
[下接語]
開兌・商兌・折兌・佞兌・孚兌・遊兌・和兌
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報