日本歴史地名大系 「児野」の解説 児野こうの 福岡県:糸島郡二丈町児野神功皇后の産気を抑えた霊石の伝説にちなむ地名。「筑前国風土記」逸文(釈日本紀)は新羅遠征の途上、神功皇后の陣痛が始まったので、大小二つの石を腰に挟んで産気を抑えて海を渡り、帰国後に応神天皇を出産したという伝説を載せ、その石を「皇子産石」とし、転訛して「児饗石」といい、その石がある地を「児饗野」というとある。「筑紫風土記」逸文(釈日本紀)は「子饗原」と表記する。「万葉集」巻五にも同様の伝承がみえ、「筑前国怡土郡深江村子負原」「故布乃波良」と記す。それらによると、この石は二つとも一尺余の大きさで白色、光沢があり楕円形で、往来の旅人はみな下馬・跪拝したという。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by