党議拘束(読み)トウギコウソク(その他表記)party discipline

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「党議拘束」の意味・わかりやすい解説

党議拘束
とうぎこうそく
party discipline

政党が所属の議員の行動を党議によって拘束すること。通常,議会での採決にあたって行われ,所属議員がその党議に従わない場合は,党内懲罰の対象となる。議院内閣制を採用する国では,党議拘束が強いのが一般的である。ただし実際の党議拘束は各国の政党のあり方と深く関係しており,政党の影響力の弱いアメリカではまったくといってよいほど行われていないし,イギリスでは法案の重要度に応じて党議拘束に強弱がつけられており,造反投票もみられる。日本の政党は党議拘束がきわめて強く,議員個人の院内活動には大きな制約が課せられている。政党を単位とする議会運営を円滑に行うためには不可欠なものであるが,過度の党議拘束は政党間の対立を助長し,審議機能を阻害し,議会政治の活性化を妨げることにもなる。

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知恵蔵 「党議拘束」の解説

党議拘束

議案賛否について政党、会派の決めた方針が議員を拘束する原則をいう。重要案件でこれに反した行動をとると制裁を受ける場合が多い。近年は、議員個人の思想信条にかかわるような議案については党議拘束を外す例も増えている。臓器移植法は大半の政党が個人の判断に任せた。日の丸君が代国旗国歌とする法案では、民主党が党内を一本化できず、党議拘束を外した。参院改革論議では、党議拘束緩和もテーマだ。郵政民営化法案をめぐる自民党内の論争では、総務会で法案を多数決で決め、党議拘束をかけたと主張したが、反対派は党議拘束がかかっていないと反論した。

(星浩 朝日新聞記者 / 2007年)

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