入鉄炮に出女(読み)いりでっぽうにでおんな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「入鉄炮に出女」の意味・わかりやすい解説

入鉄炮に出女
いりでっぽうにでおんな

関所を通って江戸に入る鉄炮、江戸より出る女をいい、この両者が関所改めのうちもっとも厳重だったことを表現することば。江戸時代、幕府は江戸防衛を主眼として諸街道に関所を設け、旅行者や荷物の検閲を実施した。その際、江戸へ下る鉄炮の通行には、老中印のある鉄炮手形を関所に提出させて、これを関所備え付けの判鑑(はんかん)と照らしたうえで実物を厳重に改めた。他方、出女についても、携帯の手形を幕府留守居(るすい)の判鑑と照合、手形の記載事項と女性とを細かに改め、確認したのち、通行を許可した。幕府が人質として江戸に居住させた大名の妻女らの帰国を防ぐためである。こうした厳重な関所改めも、1863年(文久3)には大幅に緩和されて、女手形は簡略化し、67年(慶応3)以降は手形も不要となり、その実質は失われるに至った。

丸山雍成

『近藤恒次著『東海道新居関所の研究』(1969・橋良文庫)』『木曽教育会編『木曽福島関所』(1977・文献出版)』

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