改訂新版 世界大百科事典 「全国経済委員会」の意味・わかりやすい解説
全国経済委員会 (ぜんこくけいざいいいんかい)
Quán guó jīng jì wěi yuán huì
1930年代の中国国民政府による経済建設の中心機関の一つ。1931年6月,組織条例が公布され,10月に成立した。委員には蔣介石,宋子文ほか,政府の建設各部局の長官,国民党の元老,上海の銀行家・実業家を含み,国際連盟からの技術援助を受けつつ,政府の建設計画を審議する諮問機関であった。33年9月,財源としてアメリカからの綿麦借款を得て,公路(自動車道路)建設,水利建設,綿業統制,蚕糸改良などの具体的な建設活動を担当する建設実施機関に改組された。委員も,銀行家,実業家,技術専門家を中心に拡大され,それぞれの建設項目を専門的に担当する専門委員会への技術,人材の結集も強化された。日中戦争開始後の38年1月,経済部に改組されるまで,前述の各建設項目ほか,各種の調査研究にかなりの成果をあげた。
執筆者:川井 悟
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報