全国都市同盟(読み)ぜんこくとしどうめい(その他表記)National Urban League

日本大百科全書(ニッポニカ) 「全国都市同盟」の意味・わかりやすい解説

全国都市同盟
ぜんこくとしどうめい
National Urban League

全国黒人都市生活条件同盟National League on Urban Condition among Negroesの通称で、略称NUL。1911年にニューヨーク黒人産業条件改善委員会と全国黒人女性保護連盟とを中核として結成された都市の黒人の生活向上を目ざした組織。黒人と白人とで構成され、コロンビア大学のE・R・A・セリグマン初代会長となった。多くの大都市に支部が置かれ、新しく都市に住むようになった黒人を職につかせたり、環境に適応できるよう援助し、よりよい住宅、教育施設、公共運動場、保健所の開設などを要求した。B・T・ワシントン路線に沿い、もっぱら政治活動を避け、黒人大衆の経済的福祉問題だけを取り上げるという運動方針をとった。その活動は今日まで継続されている。

[竹中興慈]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の全国都市同盟の言及

【公民権運動】より

…公民権運動がもっとも活発であったのは,1954年の合衆国最高裁判所の人種別学法違憲判決(ブラウン事件判決)から65年の投票権法の制定に至る期間である。この時期には,黒人と白人が参加した有力な運動団体(全米黒人地位向上協会(NAACP),全国都市同盟(NUL),南部キリスト教指導者会議(SCLC),人種平等会議(CORE),学生非暴力調整委員会(SNCC)など)が中心になって,南部における人種隔離制度,差別慣行を打ち破るために非暴力・直接行動が繰り広げられた。 NAACPはすでに1930年代から人種隔離の壁を崩す訴訟戦術を始めていたが,その成果であるブラウン事件判決は公民権運動に大きな弾みを与えた。…

※「全国都市同盟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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