大学事典 「全米教育協会」の解説
全米教育協会
ぜんべいきょういくきょうかい
アメリカ合衆国の教職員組合(アメリカ)で,320万人の成員を有する全米最大規模の労働組合。一部の州では,法的には専門職団体。構成員は公立初中等学校教職員,教員志望学生,退職者のほかに,20万人以上の高等教育機関の教職員がいて,同分野の組合AAUP(アメリカ大学教授連合)やAFT(アメリカ教員組合)を凌ぎ全米最大。1857年に43人の教育者によってNational Teachers Associationとして設立され,70年に関連3組合と合併して現在の名称となる。さらに,1966年に有色人種系の教員組合とも合併。1960年代の各州での公務員への団体交渉権付与の拡大に合わせて急成長した。高等教育機関では,コミュニティ・カレッジの教職員を先頭に拡大。政治的にはもともと保守主義の立場であったが,1970年代までにリベラル化し,現在は民主党を支援する傾向にある。そのため,より労働組合性の強かったAFTとの合併の動きが起こり,全体的な合併には至っていないものの,一部の州は連携状態にある。全米の労働組合連合であるAFL-CIO(アメリカ労働総同盟・産業別組合会議)とは一線を画するも,国際組織である教育インターナショナル(EI)には加入。本部は首都ワシントンにある。
著者: 舘 昭
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報