改訂新版 世界大百科事典 「全電通」の意味・わかりやすい解説
全電通 (ぜんでんつう)
正称は全国電気通信労働組合。連合の加盟組合。1950年9月全逓から分離して結成。原則として日本電信電話公社に(1985年4月から日本電信電話株式会社(NTT)に移行)働く労働者で組織されている。30年間にわたる電話の拡充と自動化のための技術革新に対し,日本で最初に〈事前協議制〉を協約化,合理化闘争について〈首切りという結果ではなく,その原因に対して闘う〉という路線をつくる。62年以来〈国民のための電信電話の実現〉と雇用保障,労働条件向上をめざし政策活動にも取り組む。以来,団交重視,事前協議の拡充を図っている。また公社法,公労法による賃金決定の制約,スト禁止に対し当事者能力拡大,自主交渉による解決,スト権回復にも一貫して取り組んできた。民営化後は,情報化時代の進展にともない関係労働者の産業別結集をめざし情報労連(情報産業労働組合連合会)の主力として活動。国際的には,国際郵便電信電話労連(PTTI)に加盟している。なお98年NTT労働組合となる。NTT労組は組合員数公称17万5000人(2009年3月末現在)。
執筆者:河村 昭治郎
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