日本電信電話公社法に基づいて,1952年8月に発足した公共企業体で,国内の公衆電気通信サービスを独占的に提供してきた。電電公社と略称される。第2次大戦後荒廃していた電気通信設備を早急に復興,発展させるため,電気通信省を再編して公社化したものであるが,発足以来,電信電話債券の発行等によって財源の確保に努力し,6次にわたる電信電話拡充五ヵ年計画を積み重ね,また,この過程において,通信技術の自主開発にもつとめた結果,世界のトップ・レベルに到達することができた。公社は21世紀初頭に到来するといわれている高度情報社会のインフラストラクチャーとして不可欠な高度情報通信システム(INS)構想を81年に提唱し,以来20年計画でその構築を進めている。一方,情報化の進展とともに,より高度なサービスを,より自由に利用したいという社会的要請が高まり,また公社制度の欠点が顕著になってきたため,第2次臨時行政調査会をはじめとする各方面の論議の結果,電気通信分野に競争原理を導入するとともに,公社を民営化する方針が打ち出された。84年末の国会で日本電信電話株式会社法および電気通信事業法が可決され,85年4月1日より民営の日本電信電話株式会社が発足。
執筆者:小松崎 清介
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日本電信電話公社法に基づいて1952年(昭和27)8月1日に設立された公法上の法人。国内における公衆電気通信(電信・電話など)サービスを独占的に行ってきたが、1985年4月、電電改革三法の施行に伴い、日本電信電話株式会社として新発足した。さらに1999年(平成11)7月、日本電信電話株式会社は、持株会社である日本電信電話株式会社と、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社の二つの地域電気通信会社、および長距離通信と国際通信を行うNTTコミュニケーションズ株式会社に分割、再編成された。
[編集部]
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…政府関係の公社には,日本電信電話公社,日本専売公社,日本国有鉄道があり,いずれも100%政府出資の公企業であったが,前2者は1985年,日本国有鉄道は87年にいずれも民営化された(各項参照)。地方公共団体関係の公社には,地方住宅供給公社,地方道路公社などがある。…
…しかし設備の運用は,明治以来,終始政府にゆだねられていた。第2次大戦後,国際電気通信株式会社は逓信省に吸収され,さらに49年からの電気通信省時代を経て,52年に日本電信電話公社が設立された。翌53年に国際電信電話株式会社(KDD)が電電公社から分離独立し,もっぱら国際通信事業を担当することになった。…
※「日本電信電話公社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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