日本大百科全書(ニッポニカ) 「全国電気通信労働組合」の意味・わかりやすい解説
全国電気通信労働組合
ぜんこくでんきつうしんろうどうくみあい
略称全電通。旧日本電信電話公社の労働組合。全逓信(ぜんていしん)従業員組合を母体に、逓信省が郵政省と電気通信省に分割されるに伴い、1950年(昭和25)10月8日、全国電気通信従業員組合として結成され、1952年7月、日本電信電話公社移行直前、全国電気通信労働組合(全電通)に改称、1985年4月、公社から日本電信電話株式会社(NTT)に移行したことにより、民間労組として再発足した。1962年に国際電信電話労働組合(国際電電労組)、全国通信建設労働組合(全国通建)、全国電気通信共済会労働組合(電済労)、全国電話印刷労働組合(全電印)と電気通信情報産業労働組合連合(電通労連、現情報労連)を結成、日本労働組合総評議会(総評)に加盟した。1957年に公社との間に「合理化の進展に伴う労働条件等に関する基本的了解事項」を締結して事前協議制を確立した。公共企業体等労働組合協議会(公労協)の「合理化」反対闘争では先駆的役割を果たした。組合員教育でも、1969年には組合学校「団結の家」を建設している。1970年代後半に入って、全電通は賃金闘争と物価闘争を重視する運動を進め、公労協への結集というよりは、情報通信問題をめぐって関連民間労組との提携を強めた。また、民間労組として公労協を離れたのち、全日本民間労働組合協議会(全民労協)に加盟したが、1987年の全民労協の改組、1989年(平成1)の総評の解散と日本労働組合総連合会(連合)結成に伴い、連合に参加した。1998年12月、NTTの再編成を控えてそれに対応するためNTT労働組合(NTT労組)に再編成された。NTT労組の組合員数は約17万6000人(2011年3月)。
[大野喜実・早川征一郎]