絵巻。1巻。2列に着座する公家57人の肖像を描き並べたもので、もとは各人のそばに名前を記した紙が貼(は)られてあったと思われるが、現在は失われている。豪信(ごうしん)筆の『摂関大臣影』(2巻、御物、鎌倉時代)に照合して、その大半の像主の名を推定することができ、藤原忠通(ただみち)を初めとする平安から鎌倉中期の文永(ぶんえい)(1264~75)ごろまでの摂政(せっしょう)・関白・大臣の肖像を描いたものとわかる。人物は濃淡二様の墨を巧みに用い、頬(ほお)や唇にわずかに淡彩を施す。顔の描写は単純であるが、各人の個性をよく生かしている。鎌倉時代(13世紀)の作で、似絵(にせえ)の名手藤原信実(のぶざね)一派の作と考えられる。国指定重要文化財。京都国立博物館蔵。
[村重 寧]
貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...