…特殊なことばづかいを,吉原の例で示せば〈ありんす(あります)〉〈ざんす(ございます)〉などである。吉原の里ことばは,諸国から集まる遊女の生国の方言やなまりをかくすためにつくられたことばとも,また俠客(きようかく)らの用いた六方詞(ろつぽうことば)のなまりとも,あるいは吉原開設のおりに駿府(静岡)や京都から来た遊女の方言が残ったものともいう。おそらく諸事情がかさなって形成されたのであろうが,里ことばが独特の遊興気分をもり上げる要素となったことも見のがせない。…
…奴ことばを句ごとに詠みこんだ俳諧をいう。武家奉公などをした奴は特異の服装や言動をしたが,そのスラングが奴ことば(六方詞(ろつぽうことば)とも)である。奴俳諧は寛文期(1661‐73)を中心に流行,可徳編・定興判《ゑ入清十郎ついぜんやつこはいかい》(1667)をはじめ,立圃(りゆうほ),半井卜養(なからいぼくよう),ケ庵等の独吟歌仙が知られている。…
※「六方詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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