六韜(読み)リクトウ

デジタル大辞泉 「六韜」の意味・読み・例文・類語

りくとう〔リクタウ〕【六韜】

古代中国兵法書。文韜・武韜・竜韜・虎韜・豹韜・犬韜の6巻60編。太公望の撰とされるが、現存するものは時代の偽作といわれる。

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精選版 日本国語大辞典 「六韜」の意味・読み・例文・類語

りくとうリクタウ【六韜】

  1. 中国、兵法の書。周の太公望の撰とされ、「荘子‐徐無鬼」に「金版六」(「」は「とう」で「韜」に同じ)と見えるが、現存するものは偽作。文韜・武韜・龍韜・虎韜・豹韜・犬韜の六巻からなる。
    1. [初出の実例]「誠か御坊は異朝の書、将門が伝へし六韜兵法といふ文、天上より給はりて秘蔵して持ち給ふとな」(出典:義経記(室町中か)二)
    2. [その他の文献]〔蜀志注‐先主備伝〕

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世界大百科事典(旧版)内の六韜の言及

【兵書】より

… そして,その後の歴史を経て定着したものは《武経七書》あるいは単に《七書》とよばれるもので,宋の元豊年間(1078‐85)に,武官の教育のために頒布されたのが始まりである。《孫子》《呉子》のほかに,春秋末期の斉の将軍司馬穣苴(じようしよ)の兵法を伝えるという《司馬法》,戦国時代の魏王に招かれた尉繚(うつりよう)の著書という《尉繚子》,周王朝の創業者太公望呂尚(ろしよう)の著と伝えられる《六韜》,黄石公が伝えたという《三略》の4書と,唐の李靖(りせい)が太宗のために兵を論じたものを後人が編集した《李衛公問対》を合わせたものである。《司馬法》は軍政を主とし,《尉繚子》は実戦をも合わせて賞罰の厳正をいい,《六韜》は最も内容豊富で戦闘技術に及び,この3書は戦国時代のおもかげを伝えているが,《三略》は後漢末の仮託であるらしい。…

【六韜・三略】より

…六編と三編の書であることをあらわす。《六韜》は周王朝の功臣太公望呂尚(ろしよう)の著と伝えられるが,仮託である。戦国末期の作であろう。…

※「六韜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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