其上(読み)そのかみ

精選版 日本国語大辞典 「其上」の意味・読み・例文・類語

その‐かみ【其上】

〘名〙
① 事のあったその時。ある事がおこったその時。そのおり。そのとき。
大和(947‐957頃)一〇三「かくてすなはち来にけり。そのかみ塗籠(ぬりごめ)にいりにけり」
② 過ぎさったその時。そのむかし。そのいにしえ往時
伊勢物語(10C前)七七「いま見れば、よくもあらざりけり。そのかみはこれやまさりけむ」
浮世草子・西鶴名残の友(1699)三「昔日(ソノかみ)清少納言世に落て四国山家にて哀れむなしくなりけると成」

その‐うえ ‥うへ【其上】

接続〙 前の叙述を受け、さらにある事柄を加える意をあらわす。それに加えて。かつ。
※浜松中納言(11C中)二「いそぎ出で立つめるを〈略〉そのうへ、夜るを昼になしてくだれ、とこそのたまはせたんなれ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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