其者(読み)それしゃ

精選版 日本国語大辞典 「其者」の意味・読み・例文・類語

それ‐しゃ【其者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. その道によく通じている人。専門家。くろうと。
    1. [初出の実例]「此のたぐひかならずすきき過して、それしゃのやうになる物なり」(出典:仮名草子・可笑記(1642)五)
  3. ( 特に、くろうとの女の意で ) 遊女芸者娼婦。商売女。
    1. [初出の実例]「この程のかたみの瘡気おし灸〈松臼〉 それ者を立し末の松山〈正友〉」(出典:俳諧・談林十百韻(1675)下)

其者の語誌

その道の専門家の意だが、特に遊里の遊びに慣れていて、その道によく通じた、いわゆる「粋人(すいじん)」を指していうことが多い。「評・色道大鏡‐一」には、「粋(すい)」「和気(ワケ)しり」も同意と説明がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「其者」の読み・字形・画数・意味

【其者】きしや

思うに。あるいは。〔漢書、武五子、燕剌王旦伝〕寡人束帶してを聽くこと三十餘年、曾(かつ)て聞くこと無し。其(あるいは)寡人のばざるか。(抑(そもそも))亦た子大夫の思ひ、至らざるるか。

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