典学館跡(読み)てんがくかんあと

日本歴史地名大系 「典学館跡」の解説

典学館跡
てんがくかんあと

[現在地名]久世町久世

寛政八年(一七九六)に創設された郷学。代官早川正紀が久世の代官として赴任したのは、大飢饉直後の天明七年(一七八七)のことで、農村復興の道は百姓の教化にあるとして、儒教道徳を基本とした「久世条教」を作成し、これを実践するために教諭所を設置、寛政八年に典学館と改称した。世話役として久世村の蔵屋林兵衛・杉山順庵、目木めき村の大庄屋福島三郎左衛門、三坂みさか村の岩右衛門、樫村東谷かしむらひがしだにの藤左衛門らが任命された。都講として真野民次や菊池正因らを招き武士商人・百姓らを対象に教授した。基礎を築いた真野民次は「典学館式目」などを起草し、学問の内容は孝経・論語・孟子・大学・中庸など儒学を中心とした(「講席規条」福島文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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