典座教訓(読み)てんぞきょうくん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「典座教訓」の意味・わかりやすい解説

典座教訓
てんぞきょうくん

道元著書永平清規 (えいへいしんぎ) 』のなか一編。道元 35歳のときの作と伝えられる。衆僧修行をつつがなくさせるための食事を調製し万事に親切に注意深くすべきことを教え,宋の禅寺模様見聞を交えながら,この台所役の宗教的意義重要性を説いている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の典座教訓の言及

【道元】より

…やがて33年(天福1)ごろ,正覚尼(しようかくに),九条教家などの寄進によって,もと極楽寺の一部であった深草の観音導利院を中心に一寺を建立し,観音導利興聖宝林禅寺とした。伽藍が整備され,入門者が増加したため,37年(嘉禎3)春に《典座教訓(てんぞきようくん)》を著して,深草の興聖寺教団の修行生活を厳しく規正した。 1234年(文暦1)冬に大日能忍門下の孤雲懐奘(えじよう)が,ついで越前波著(はぢやく)寺から大日派の覚禅懐鑑(えかん),徹通義介(てつつうぎかい)など臨済宗大恵派の人々が相ついで集団入門をとげたので,道元の深草教団は充実し,にわかに活況を呈した。…

※「典座教訓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android