内ら(読み)うちら

精選版 日本国語大辞典 「内ら」の意味・読み・例文・類語

うち‐ら【内ら】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 「ら」は「側、方」の意の接尾語 ) 内の方。内側。内部。
      1. [初出の実例]「世をへぎる壁のうちらや冬籠〈藤乃〉」(出典:俳諧・庵の記(1707)卜居)
      2. 「女はうちらで鼠泣き、男は外から猫の真似」(出典:浄瑠璃・心中二つ腹帯(1722)三)
    2. 愚かな人。たりない人。近世、文化・文政・天保期(一八〇四‐四四)の上方での流行語。
      1. [初出の実例]「たらぬ人、内らじゃ」(出典:当世花詞粋仙人(1832))
    3. 大坂新町の遊里の俗称
      1. [初出の実例]「門にゐても新町を内らとはいかに」(出典:二篇おどけむりもんどう(1818‐30頃か))
  2. [ 2 ] 〘 代名詞詞 〙 自称。わたし。
    1. [初出の実例]「そんなこと知らんでどうする〈略〉何でも知ってるえ私(ウチ)ら」(出典御身(1921)〈横光利一〉八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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