化学辞典 第2版 「内圏錯体」の解説
内圏錯体
ナイケンサクタイ
inner-sphere complex
水和金属イオン [M(H2O)n]m+ の内圏(内部配位圏ともいい,金属イオンに配位子が直接結合している領域)に,配位子(L- とする)が結合した錯体 [M(H2O)n-1L]m-1 を内圏錯体という.水和金属イオンを含む外圏錯体中の金属イオンに配位していた水分子の一つが,配位子と置換することで生成する.内圏錯体生成反応の律速段階は,金属イオンの内圏に配位している水分子の離脱であり,離脱の速度は配位子の種類によらず,金属イオンの種類でほぼ決まる.超音波吸収の実験から明らかにされた.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報