内密出産
匿名での出産を望む女性を支援する制度。ドイツでの先例を参考に熊本市の慈恵病院が2019年に導入を発表、21年12月に出産があった。一部の病院関係者だけに身元を示すのを条件に、本名を明かさず出産する。医師ら専門家らの立ち会いがない状況下で孤立出産を防ぐ狙いがある。生まれた子の「出自を知る権利」を明確に定めた法律が日本にはなく、慈恵病院や熊本市は国に法制化を求めている。
更新日:
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
Sponserd by 
内密出産
妊娠を周囲に知られず匿名で出産を望む女性が、専門の相談機関などに実名を明らかにした上で医療機関では匿名での出産をすること、ないしはその法制度。2014年に「秘密出産規制法」が施行されたドイツでは、子どもの「出自を知る権利」を保障するため同制度が法制化された。ドイツの場合、子どもは16歳になったら自分の出自を知ることができる。日本においては法整備はなされていないが、かねてより親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を運営している慈恵病院(熊本市)は、20年8月、予期せぬ妊娠をして匿名を望む母親が、病院にだけ身元を明かした状態での出産を受け入れることを表明している。これに対して熊本市は、厚生労働省、法務省に実施の是非を照会した上で「法令に抵触する可能性を否定することは困難」として、同出産の実施を控えるよう慈恵病院に要請し、物議を醸している。
出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報
Sponserd by 