内臣(うちつおみ)(読み)うちつおみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「内臣(うちつおみ)」の意味・わかりやすい解説

内臣(うちつおみ)
うちつおみ

天皇から特別の権能を受けた寵臣(ちょうしん)、輔翼(ほよく)の官。「ないしん」とも読む。常置の官でなく、令の官制にも規定されていない。中国、朝鮮では、もっぱら寵幸の臣を意味する語として使用されている。日本の場合もほぼ同様とみてよいが、内大臣との関連の深い点が注目される。大化改新のとき、中臣鎌子連(なかとみのかまこのむらじ)(藤原鎌足(かまたり))が任命されたのが初例。その後、元正(げんしょう)朝に藤原房前(ふささき)、光仁(こうにん)朝に藤原良継(よしつぐ)、藤原魚名(うおな)がそれぞれ任じられた。

[荒木敏夫]

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