朝日日本歴史人物事典 「内藤広前」の解説
内藤広前
生年:寛政3(1791)
江戸後期の国学者。幕府の御先手同心。名は広庭,のち広前,通称浜次郎。号は賢木園。国史,律令に通じ,江戸の和学講談所出役となる。歴史や古典和歌の編著を多くものしたが,文化年間に尾張(名古屋)藩主の命を受けて校訂した『大内裏図考証』は,もっともよく知られている。かつて京都の公家・裏松光世が蟄居中に著した考証を補正したものである。また紀州新宮城主水野忠央のもとで編纂された『丹鶴叢書』には,黒川真頼ら幕末期の江戸を代表する国学者と共に寄与した。<著作>『大内裏図考証正誤』11巻(『故実叢書』2輯)
(ロバート・キャンベル)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報