裏松光世(読み)ウラマツミツヨ

デジタル大辞泉 「裏松光世」の意味・読み・例文・類語

うらまつ‐みつよ【裏松光世】

裏松固禅

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「裏松光世」の意味・わかりやすい解説

裏松光世
うらまつみつよ
(1736―1804)

江戸中・後期公家(くげ)、有職故実(ゆうそくこじつ)家。烏丸光栄(からすまるみつひで)の子として生まれ、1747年(延享4)裏松益光(ますみつ)の養子となる。58年(宝暦8)に蔵人(くろうど)、左少弁となったが、竹内式部(たけのうちしきぶ)事件(宝暦(ほうれき)事件)で辞職し、60年剃髪(ていはつ)して固禅(こぜん)と称した。辞職後は平安時代の古儀の研究に没頭し、88年(天明8)の内裏(だいり)焼失の際、彼の研究の成果が採用され、平安内裏を復原して紫宸殿(ししんでん)などが再建された。97年(寛政9)『大内裏図考証(だいだいりずこうしょう)』30巻を朝廷献上。墓所は京都市右京区の法雲院。『皇居年表』などの著書がある。

[吉田早苗]

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改訂新版 世界大百科事典 「裏松光世」の意味・わかりやすい解説

裏松光世 (うらまつみつよ)
生没年:1736-1804(元文1-文化1)

江戸後期の公家。有職故実家。法名は固禅。烏丸光栄の末子,裏松益光の養嗣子。1758年(宝暦8)蔵人に補されたが,竹内式部の宝暦事件に連座し出仕を止められた。以来蟄居30年,その間刻苦精励し,《大内裏図考証》《皇居年表》などの著作従事。88年(天明8)内裏が炎上し,造営の任に当たった老中松平定信にその造詣の深さを激賞され,蟄居を解かれ諮問に応じ平安内裏の様式の再現に尽力した。
執筆者:

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朝日日本歴史人物事典 「裏松光世」の解説

裏松光世

没年:文化1.7.29(1804.9.3)
生年:元文1.11.11(1736.12.12)
江戸中期の有職故実家。没日は一説に26日。烏丸光栄の子,のち裏松益光の養子となる。桃園天皇に仕え,延享4(1747)年従五位下,宝暦8(1758)年蔵人となる。幼時より学を好み,特に有職故実に詳しかった。王室の衰微を憤り,竹内式部,藤井右門らと尊王復古を唱えたため幕府の忌むところとなり,同8年7月蟄居を命じられた。謹慎中,平安内裏の研究に没頭。天明8(1788)年内裏炎上の際再建の諮問を受け,長年の研究成果『大内裏図考証』を示したことによって蟄居が解かれた。寛政2(1790)年の内裏竣工の際,光世は天皇に著書を献上した。10年,出家して固禅と号した。<参考文献>西井芳子「裏松固禅とその業績」(『平安博物館研究紀要』2号)

(白石良夫)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「裏松光世」の解説

裏松光世 うらまつ-みつよ

1736-1804 江戸時代中期-後期の有職(ゆうそく)家,公家(くげ)。
元文元年11月11日生まれ。烏丸光栄の子。宝暦8年宝暦事件に連座し,蟄居(ちっきょ)となる。その後30年にわたり平安京の内裏を研究,「大内裏図考証」を完成。これが天明8年に炎上した内裏の再興に役だち,罪をゆるされた。文化元年7月26日死去。69歳。法名は固禅。著作に「皇居年表」など。

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367日誕生日大事典 「裏松光世」の解説

裏松光世 (うらまつみつよ)

生年月日:1736年11月11日
江戸時代中期;後期の有職故実家
1804年没

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世界大百科事典(旧版)内の裏松光世の言及

【京都御所】より

紫宸殿北西に清涼殿が所在し,殿上を経て紫宸殿と長橋で結んでいる。この南ブロックの殿舎・諸門の規模と形式は1790年(寛政2)再建のときに,裏松光世(固禅)の《大内裏図考証》に基づき,平安時代内裏の古制を採用復活したが,1855年再建の現存殿舎にも踏襲された。中ブロックは東方の庭池に面して小御所,御学問所,御三間,常御殿の奥向殿舎からなり,格調の高い書院造につくる。…

※「裏松光世」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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