円徳院村
えんとくいんむら
[現在地名]阿山町円徳院
河合村の南に位置する。西に河合川、南に柘植川が流れ、その沖積地に条里制遺構が最もよく残っている。西側の丘陵地には上丸川一号・二号墳や大日堂一号・二号墳があり、上野市外山に続く石原には一号―七号墳があり、そのうち七号墳は前方後円墳で埴輪片を出土している。ほかは横穴式石室を認められる円墳が多い。永久三年(一一一五)五月二五日付の東大寺解案(百巻本東大寺文書)には「天台別院円徳院領七十町同末寺放光寺領八町」とあるから、円徳院の地名は同名寺院に由来、相当の大きい寺院が所在したと考えられるが、その寺跡は不分明で出土瓦などまったくない。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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