冒頭手続(読み)ぼうとうてつづき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「冒頭手続」の意味・わかりやすい解説

冒頭手続
ぼうとうてつづき

刑事裁判公判期日の最初に,事件の実体審理 (証拠調べ) に先立って行われる手続。冒頭手続は裁判長が被告人に対して行う人定質問 (刑事訴訟規則 196) から始り,検察官による起訴状朗読 (刑事訴訟法 291条1項) ,裁判長による黙秘権そのほか被告人の権利を保護するために必要な事項の告知 (291条2項) があり,被告人および弁護人から事件についての陳述,たとえば起訴状に関する釈明要求,起訴状に対する認否争点を明らかにするための陳述などが行われる。被告人側の管轄違いの申立てや移送請求は,この手続段階中に行われなければ効果がない。訴訟条件の有無原則として,この段階で審査される。

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世界大百科事典(旧版)内の冒頭手続の言及

【公判】より

…なお,審理が円滑に進められるためには法廷の秩序を維持することが必要であり,その見地から裁判所に法廷警察権が与えられ,退廷,さらには監置・過料の制裁を科することが認められる(法廷秩序)。 公判期日には,冒頭手続,証拠調べ,弁論を経て,最後に判決が言い渡される。(1)冒頭手続では,出頭した者が被告人本人であることの確認(人定質問)の後,検察官が起訴状を朗読する。…

※「冒頭手続」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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