陳述(読み)ちんじゅつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日本語文法の用語話し手,書き手が文に表わす断定,疑問,推量,感動,意志,命令,勧誘,呼びかけなどの態度のこと。「いいか?」では終助詞の「か」が疑問を,「いいよ」では間投助詞の「よ」が断定を示し,「これはうまい」は用言が終止形で終っていることが断定を示すと説かれる。このように一般に文の末尾で陳の種類を表わすとされるが,「いい?」としりあがりに言うと疑問になるように,イントネーションも陳述を表わすとも説かれる。陳述の概念やそのにない手については論者によって差がある。なお,陳述の副詞と呼ばれるものは,「まさか (…まい) 」「もし (…ば) 」のように,特定の陳述と呼応する副詞のことである。

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デジタル大辞泉の解説

[名](スル)
意見や考えを口頭で述べること。「公聴会で意見を陳述する」
訴訟の当事者または関係者が裁判所に対し、自己の申し立てを理由づけ、あるいは相手方の申し立てを排斥するために、事実や法律効果についての主張を口頭または書面で述べること。
構文論の基礎的な概念の一。文としてのまとまりを与える働き。いくつかの学説がある。例えば、「花が咲く」という文は、開花という事柄を表すとともに、開花の認識が、判断の形式によって述べる述語によって統一されていると考える。この用言の働きを陳述という。また、話し手の判断が言語に込められているものが陳述で、助動詞や、形としては存在しないが用言に伴うとして仮定したものに、その働きがあるとする説などがある。山田孝雄により一般化した術語

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大辞林 第三版の解説

スル
意見・考えを述べること。また、その内容。 -書
訴訟において、当事者やその関係人が、関係事項を口頭または書面で述べること。
構文論の基礎的な概念の一。「花は美しい」の文においては主概念「花」と賓概念「美しい」とを結合統一する作用が表れているが、その言語的表明を陳述と呼ぶ。もと、山田孝雄の用語。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

民事訴訟上、当事者が自己の申立てを理由あらしめるため、あるいは相手方の申立てを排斥するため、自己の認識・判断を裁判所に報告・提供する行為(観念の通知)をいう。なお、自己に有利な内容の陳述を主張といい、自己に不利益な内容の陳述を自白ともいう。陳述は、法律上の陳述と事実上の陳述とに分けられる。法律上の陳述は、広義においては法規の存否やその解釈適用に関する意見の陳述も含まれるが、これらは裁判所に対する参考意見としての意味しかもたないのに対し、狭義の陳述は弁論においてきわめて重要である。それは当該訴訟事件についての当事者の具体的な権利または法律関係の存否に関する陳述をいう。訴訟物たる権利または法律関係の存否自体についての陳述があれば、それは請求の放棄あるいは認諾となり(民事訴訟法266条)、訴訟は終了する。事実上の陳述は、具体的な事実の存否に関するもので、請求原因たる事実や抗弁事実の陳述あるいは相手方の主張事実に対する認否などである。自己に不利益な事実上の陳述は、相手方が援用すると裁判上の自白となり、その陳述をした当事者や裁判所を拘束することになる。[内田武吉]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 口頭で述べること。口で言うこと。申し述べること。
※随筆・秉燭譚(1729)三「誠惶、誠懼、頓首頓首、これを中謝と云、陳述の表にこれを用ゆ」
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三「寒月君に関する事実は御参考の為に陳述するさ」 〔新五代史‐韓建伝〕
② 民事・刑事の訴訟で、当事者または訴訟関係人が裁判所に対し、法律上の主張あるいは事実に関する事項を口頭または書面などで述べること。
③ 国語学で、構文論の基礎的な概念の一つ。主語・述語などの関係にある連語を、一つのまとまった文として成り立たせる作用で、言語主体の何らかの判断の態度がこれに反映する。ただし、語形の上に表われるとは限らないので、その内容にはいろいろの考え方ができる。もと、山田孝雄の用語。
※日本文法論(1902‐08)〈山田孝雄〉一「文は実にそれが資料たる観念又は概念と陳述の勢力とを要す」

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世界大百科事典内の陳述の言及

【主張】より

…このように当事者が申立てを基礎づけるために行う訴訟行為を,主張という。主張は陳述ともいわれ,法律上の主張と事実上の主張に大別される。前者は特定の権利または法律関係に関する自己の認識または判断を報告する陳述をいう。…

※「陳述」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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