冬野寺(読み)ふゆのでら

日本歴史地名大系 「冬野寺」の解説

冬野寺
ふゆのでら

[現在地名]明日香村大字冬野

多武峯とうのみね別院。江戸時代前期にはすでに名ばかりの寺となっており、現在観音堂のみを残す。建久八年(一一九七)の「多武峯略記」に「冬野寺号妙(金)寺、亀山皇子良助親王破戒之後居冬野自称優婆塞、件寺者、千手観音霊験之勝地也、堂舎草創時代未詳」と記される。良助法親王(亀山天皇の第八皇子)の墓ははた集落への道の西側にあり、古来「うはそくの森」と伝え、一名「優婆塞ノ塚」とも称している。墓地に立つ五輪塔は花崗岩製で、南北朝時代末期の造立といわれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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