冷ややか(読み)ひややか

精選版 日本国語大辞典 「冷ややか」の意味・読み・例文・類語

ひや‐やか【冷やか】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「やか」は接尾語 )
  2. つめたく感じられるさま。冷えているさま。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「はすの葉にひややかなる水をつつみてくるに」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
    2. 「去年の秋は冷(ヒヤヤカ)にして霜早く」(出典:小学入門(甲号)(1874)〈民間版〉)
  3. 扱い方や態度に思いやりのないさま。つめたい態度であるさま。冷淡なさま。
    1. [初出の実例]「夫に冷淡(ヒヤヤカ)待遇をさるる度毎」(出典:はやり唄(1902)〈小杉天外〉一一)
  4. 落ち着いて物に動じないさま。冷静なさま。
    1. [初出の実例]「忽ち肩を聳やかして政治を語り、忽ち眼を冷(ヒヤヤカ)にして哲学を評し」(出典:露団々(1889)〈幸田露伴〉二)
  5. ( から転じて比喩的に ) 豊かでないさま。金の持合せが少ないさま。懐がさみしいさま。
    1. [初出の実例]「グット屁子垂(へこたれ)たる姿なり。蓋し嚢中の冷(ヒヤヤカ)なるに因るならん」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二〇)

冷ややかの派生語

ひややか‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

選挙公営

国または地方公共団体が個々の候補者の選挙費用の一部または全額を負担すること。選挙に金がかかりすぎ,政治腐敗の原因になっていることや,候補者の個人的な財力によって選挙に不公平が生じないようにという目的で...

選挙公営の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android