改訂新版 世界大百科事典 「分周器」の意味・わかりやすい解説
分周器 (ぶんしゅうき)
frequency demultiplier
周波数f1の信号を加えて,これに同期した周波数f2(f2=f1/n。nは整数)の出力を得る回路。分周器にはマイクロ波帯で用いられる帰還形分周器とディジタルICによる計数回路を用いた分周器の2種類があるが,後者がふつうである。JK形フリップフロップ回路は,入力パルス列を1/2に分周するので,これをm段縦続に接続すれば1/2mの分周比が得られる。分周比nが2mでない場合は帰還路を設ける。図のように,a1,a2,a3の分周比をもつ回路に二つの帰還路をつけると,全体の分周比はn=a1a2a3-a1-a3で与えられる。例えばn=10にするためにはa1=4,a2=2,a3=2とすればよい。
執筆者:柳沢 健
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報