分子カプセル(読み)ぶんしカプセル(その他表記)molecular capsule

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「分子カプセル」の意味・わかりやすい解説

分子カプセル
ぶんしカプセル
molecular capsule

シクロデキストリンなど,包接化合物を形成する分子。シクロデキストリン類は分子内に疎水性空洞をもっており,この空洞に見合う大きさの有機化合物全部あるいは一部を取り込み,包接化合物をつくる。これがちょうど有機化合物をカプセルで包んだようになることから,分子カプセルと呼ばれる。分子カプセル中の有機分子は,取り込まれていない分子とは物理的,化学的に性質が異なる。たとえば香料分子をシクロデキストリンで包接すると,香料が気化しにくくなり,香りが持続する。また,酸化しやすい化合物は包接により酸化しにくくなる。医薬品は徐放性となり(→徐放剤),効果が持続する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む