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包接化合物 ほうせつかごうぶつinclusion compound

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

包接化合物
ほうせつかごうぶつ
inclusion compound

クラスレート化合物 (ラテン語で格子で包み込まれるの意) ともいう。ある分子がかご形構造をつくり,その空孔の中に他の原子や分子を包んだ構造をもつ化合物。したがって両者の間には化学結合がなく,厳密な意味では化合物ではない。化学的性質は外側のかご形構造 (ホスト格子) を形成している分子のほうの性質を示す。融解または溶解すると両者は容易に分離する。かご形構造はほとんどの場合,水素結合によるものが多い。たとえばヒドロキノンが水素結合により網目構造をつくり,その中に他物質Xを包み,[C6H4(OH)2]3X の形の包接化合物をつくる。Xはアルゴンクリプトンキセノンメチルアルコール二酸化硫黄二酸化炭素,塩化水素,臭化水素,シアン化水素,硫化水素などで,Xの条件としては網目に相当する程度の大きさをもつことが必要である。Xをゲスト分子ともいう。

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百科事典マイペディアの解説

包接化合物【ほうせつかごうぶつ】

クラスレート化合物

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大辞林 第三版の解説

ほうせつかごうぶつ【包接化合物】

一つの化合物の結晶の三次元網目構造の中にできるすき間に、他の原子または分子が一定の組成で入りこんでできる一種の付加化合物。ヒドロキノンとメタノールなど種々のものが知られている。クラスレート化合物。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

包接化合物
ほうせつかごうぶつ
inclusion compound

分子化合物の一種で、一方の分子種が籠(かご)状、トンネル状あるいは層状の分子規模の空間をつくり、そこへ形状と寸法が適合する他方の分子種が収納(包接)されて生成する化合物。クラスレイト化合物clathrate compoundともいう。空間をつくる化学種をホスト、包接される化学種をゲストという。ホストとゲストとの間に強い化学結合がなくても、形状と寸法さえ適合すれば生成することが多い。ヨウ素デンプン反応で生成する青色物質はその一例で、螺旋(らせん)状に巻かれたデンプンの構造がつくるトンネル状空間にヨウ素原子が一列に包接されている。酵素が基質を取り込むときの選択性も、部分的な包接構造の生成が作用している。メタンハイドレートと俗称される物質は、氷H2Oをホスト、メタンCH4をゲストとするメタン包接水和物(限界組成式8CH446H2O)である。[岩本振武]

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世界大百科事典内の包接化合物の言及

【クラスレート化合物】より

…一つの化合物が結晶をつくる際に,その立体的な三次元網目構造によってできる一定の空洞に,他の物質の分子または原子を閉じこめてできる一定の組成比の化合物をいう。包接化合物,また英語ではinclusion compound,enclosure compoundということもある。クラスレートの名はギリシア語のkleithron(かんぬき)に由来する。…

※「包接化合物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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